自腹でNUARL Inovator買った。詳細はこの記事。
殆どレビュー記事が無い製品なので、人柱として実際に使ってみて感じた良い点と気になった点を紹介します。
果たして買って後悔しているのかどうか、、、人柱の一人の意見をどうぞ。
※この記事は長期的に使用して気が付いた点があったら随時追記、更新予定です。
NUARL Inovator レビュー!良いところ気になるところ
パッケージ
シンプルながら高級感があります。
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スペック
価格 | 購入時 82500円 |
ドライバー構成 | (中低音用) φ8mm液晶ポリマー振動板ダイナミック型“NUARLDRIVER”[N8]v4x1 (高音用) xMEMS“Cowell”MEMSスピーカーx1 |
対応コーデック | SBC/AAC/aptX/aptXAdaptive/aptXLossless/LDAC2/LC-32 |
連続再生時間 | 約6時間(ANCOFF/AAC) |
重量 | 本体 約6.7g、ケース込約81g |
着脱感知 | なし |
マルチポイント接続 | 2台まで |
低遅延モード | あり |
スペックは公式HP。eイヤホンHPより参照。重量のみ実寸。
外観
流石の8万円。非常にシェルは美しいです。
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ケースも重たいですが金属製なので高級感があり頑丈そう。
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欲を言えば、このサイズと価格ならケースはワイヤレス充電に対応しておいてほしい。
各種機能について
このイヤホンには専用アプリがあるので
その機能や使い勝手について話します
パーソナライズについて
このイヤホンにはパーソナライズという機能がある。EQと違って、パーソナライズの音にEQでさらに自分好みに調整が可能。
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試聴機ではこの機能が満足に使えなかったので購入を決めた。その経緯についてはこの動画で語っています。
しかし、実際に使ってみた感じ、パーソナライズをすることでデフォルトと比較して大きく印象が変わることはなかった。
イコライザー
パーソナライズと併用可能なカスタムイコライザー。操作性も良く調整はしやすい。
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ノイズキャンセリング
弱中強の3段階で調節が可能。また、音質優先モードや風切り音に強い耐風モードがある。普段はノイキャンの効きが一番良い標準モードを使っている。というか、標準モード以外はノイキャンが弱めに感じた。
外音取り込み
外音取り込みも弱中強の3段階で調節が可能。普通に使える外音取り込み。
イヤホンタッチ操作の変更
ノイズキャンセリングと外音取り込みが同じ操作ではなく、別扱いなのは好みが分かれそう。個人的には同じ扱いの方が使いやすいと思う。
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ノイズキャンセリング&外音取り込みと遅延 評価
ノイズキャンセリング
評価方法はコチラの記事を参考にしてください。
評価結果
電車:7.5
人混み:7
最近のTWSは中高音域の除去も効く機種が増えているのため、価格を考慮するともう一声欲しかった。
ただ、音質への影響は非常に小さく、その点は優秀。
低音域の除去は得意ですが、高音域の除去は非常に苦手な印象です。電車で使用すると金属が擦れるような音が残るため、地下鉄などで使うとも物足りなさを感じました。
外音取り込み
外音取り込みは評価の高い他機種と比較しても負けないくらい優秀だと思います。
ONにした時のノイズも少ないですし、音への影響も小さいです。
アプリでボリューム調整ができますが、基本的にMAX丁度いいと思います。
遅延
【ゲームモードOFF】
SBC:+250ms
AAC:350
aptX:250~300
aptX Adaptive:300
【ゲームモードON】
SBC:50ms
AAC:100
aptX:100
aptX Adaptive:100
【ゲームモード非対応】
LDAC:400
LE Audio:250~300
使用スマホ:Xiaomi 14 Ultra
NUARL Inovatorの音質評価
評価の前に、NUARLは公式Twitterで音の良し悪しではなく、好き嫌いで評価されるべきという考えをツイートしていた。私も概ねそうだと思っているけど、評価をする以上、良し悪しととられる表現をしていることをご理解下さい。
てか、別に案件じゃないし、自腹で買ってるので好きに言う。
NUARL Inovatorの音質評価
高音域 | |
中音域 | |
低音域 | |
解像度 | |
迫力 |
低音域
低音の質は圧倒的、今まで聴いてきたTWSの中でトップクラス。中低音域は普通だけど重低音の量が多いので好みは分かれるけど凄い。
低音域が主人公級の存在感があるが、分離感に優れており他の音域に被るような事はない。低音域が多いとボーカルと高音域が籠りがちだけど、このイヤホンはそういったことが無い。
中音域・ボーカル
低音域の深いところまででいながら、ボーカルは埋もれていない。
ボーカルが主役の音源には、きちんとボーカルを主役にしてくれる鮮明さと解像度、分離感がある。
中低音域は少し抑えめながら、ボーカルや高音域も楽しみたい人にはこれくらいのバランスがギリギリ許せるラインだと思う。
高音域
高音域もかなり好み。しかし、MEMSドライバーらしい音。
このドライバーの音は好みが分かれる事でも有名。でも私は好き。
非常にハッキリしていながらも繊細。情報量も多く美しい高音域。しかし音源によっては冷たい印象を受けたり、刺さると感じる人もいそう。
最近の高級機に多く使われているドライバーだが、私が普段から使ってるSOUNDPEATS Capsule3 Pro Plusにも搭載している。そのため、あまり感動は無い音だった。好みが分かれるが1万円くらいで買えるので試してみると良いかも。
全体の印象
それぞれの音域に感じた特徴は、低音域はどちらかといえばウォーム。中音域は中間。高音域は冷たい印象を受けた。
低音域はウォーム寄りだけどAZ100程ではない。AZ100がウォーム度10だとすると3くらい。
どの音域も情報量がしっかりあり、無線イヤホンらしくない音。特に低音域は今まで試したTWSにも無い音だったので大変満足している。
有線イヤホンと比較したら?
ここで気になるのが、有線イヤホンだったらいくらくらいの音なのか?という事。
あくまで個人的な感想だけど、甘めに見積もって3~4万円の有線イヤホン+1~2万のDACくらいの音だと思う。
もちろん、イヤホンによるから何とも言えないんだけど、3万円の有線イヤホンをちょっとしたDACに繋げればこんな感じの音を楽しめると思う。
要するに5万円くらいの有線イヤホンセットが、8万円で無線とノイキャン搭載で楽しめるという事。そう考えると安い?
EAH-AZ100とNUARL Inovatorを比較
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価格が倍以上違うので、比較対象がおかしいと思うけど、コメントや口コミで気になっている人が多そうなので追記。
結論から言うと、音の傾向が全く違うので良し悪しが付けられない。
AZ100は大人しいながらも、しっかりと肉厚で濃厚な音。
Inovatorはハッキリとしたメリハリがありながらも、情報量が豊富で楽しい音。
筋肉で例えると、AZ100は力士。Inovatorは陸上選手。(伝わらない)
どちらかといえばInovatorはAZ80の音の傾向に近いと思う(どちらかといえば)
そのためかAZ100の音に不満があったAZ80ユーザーがNUARL Inovatorを購入したという意見がいくつかあった。
後悔?NUARL Inovator 良いところ&気になるところ
NUARL Inovatorの良いところ
音質を重視した場合、総合力は現状トップ
現状、これだけ音質に拘った上でノイキャンやマルチポイント接続、複数のコーデックなどの機能性を備えた機種は少ない。
Gemini2が近いけど、そちらはaptXコーデックまでなので音を聞かずに嫌だと判断する人が多そう。
となるとライバル機はB&W Pi8。しかし、音の傾向が全く違うため住み分けはできていると思う。
本体の質感が最高
流石のハンドメイドシェル。見た目が非常に美しい。所有感を満たしてくれる。
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低遅延モードが優秀
地味に驚いたのが、低遅延モードがちゃんと低遅延だったこと。
最近は低遅延モードがあってもイマイチな製品も多いが、この製品はaptX Adaptive接続なら100ms以下を実現。
LDAC接続時は使用できないので要注意。
「高い物使ってる」という満足感
現状、価格は最高級品。
性能や音質だけでなく、価格も満足度や所有感には大きな判断材料にする人がいるため、そういった人は幸せになれる。
動画のコメント欄、某掲示板でもこのイヤホンを持ってる持ってないでマウントをしている人がいるくらいなので、持ってるだけでステータスに感じられる製品という事なのかも。
オーディオの趣味はお金がかかるので、8万円でオーディオの機材マウントができるのは魅力かもしれない(私はやらないけど)
【買って後悔?】NUARL Inovator の欠点
価格が高い事もあって不満点は多い。(評価が厳しめ)
最近は1万円クラスでも不満を感じないレベルの物が増えているが、このInovatorはそのレベルに達していない機能が多数あったので余計に気になった。
Ver 0.2.4で確認した不具合です。
ケースの充電が切れると収納時にイヤホンの電源が切れない
一番致命的な欠点がコレ
一般的なTWSの仕様上、イヤホンをケースに収納するとイヤホン本体に充電がされる。
しかし、このイヤホンはケースに収納時に、ケースの充電が切れていると本体の電源がOFFにならない。
そのため、ケースの充電が無くなった場合、イヤホン使用後、イヤホンを収納してもペアリングが切れない。
また、ケースに収納していても勝手にイヤホン本体の電源が入る時がある。(これは別の問題)
この症状が合わさると、ケースに収納してあっても勝手にスマホ等にペアリングがされてしまう。 ケースもイヤホンも充電容量が小さいのでこの現象が頻発する。
ケースもイヤホンも充電容量が小さめなのでこの現象が頻発する。
つまり、定期的に使用していない時でも勝手にスマホにペアリングをする時限装置なる。
使った時の不満点以前に、使わない時にすら不満を与えてくる厄介な代物となっている。そのため、これが理由で手放そうか検討中。音質がどれだけ好みでもこの仕様が非常に不便。ケースもイヤホンもバッテリーを0%にしておけば解決するが、8万の高級イヤホンでバッテリー0%を維持するのは勿体なすぎる。(バッテリー消耗も激しい)
充電の持ちが短い
上でも軽く触れたけど、このイヤホンはANCオフ、AAC接続時で約6時間しか持たない。
ANCオン、高音質コーデックを使用した場合4時間も持たないと思う。8万円でケースも大きめなのに、、
高すぎる
コストが色々とかかっているのは分かるし、ぼったくり価格というわけではないと思うが、寿命の短い消耗品の充電池を搭載した機器だとするとコスパが悪いと言わざるおえない。
また、1万円クラスの方がマシな通話音質、動作の安定性。3~4万円クラスに及ばないノイズキャンセリング機能など、価格を考慮しても物足りなさを感じるため、相対的に価格が高いという感じる。
この価格ならすべての機能において最強クラスであって欲しかった。
でも35万のノートパソコンを買った時と同じような満足感はある。
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使用時に勝手に再起動する
安いイヤホンではたまに見られる現象。このイヤホンは8万円する。
LDAC接続時に発生しやすい。
この後にペアリングすると何故かLDAC接続ではなくapt X Adaptive接続になるので面倒。
ケースに収納がしずらい
画像はイヤホンをケースに置いた際にハマるパターン2種類。片方はきちんとハマっていない。
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ぱっと見では分かりにくいし、意識せずに入れると高確率でハマらないので注意が必要。
NUARLのTwitterアカウントで、純正イヤーピースを使用していないとケースのおさまりが悪くなる場合があるという注意喚起がされているが、上記の症状は純正イヤーピース使用時も発生する。イヤーピースを装着してなくても発生する。
利用者ではなく設計的な問題。
NUARL Inovator 自腹レビュー 総評
総合力だけみたら他にはない魅力があるものの、全てにおいて完璧かというとそんなこともなく、惜しい。
というか、欠点に関しては1万のTWSでもないような不便な点が目立つ。
結論、使用者の愛が試される1台。普段使いで聴く音を少しでも良くしたい人、3万クラスのTWSをいくつも買って沼にハマるくらいなら高い物使ってる感に浸れるこの製品は良いかもしれない。
ライバル機と比較してどうか?
ライバル機としてはこの記事でも比較した4~7万の機器と良い勝負。価格はInovatorが頭抜けているが、性能や音質も抜けているとは思わなかった(音質の好みが合うかどうかの差)
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5万も8万も変わらん、っていうお金に余裕のある人が買うなら良いけど、普通は5万以下クラスのAZ100とかを買って、有線イヤホン買った方が幸せだと思う。ノイキャンも4万クラス前後が強いし。たぶん値崩れして6万くらいになったら魅力的かも。
Inovatorは、Svanarの次に私の好みの音だった。そしてSvanarはTWSとしてはイマイチだった。
他人にオススメするならPi8を勧めるかも。でも結局は音の好み。試聴推奨。
買って後悔してる?
個人的には、音は良いので満足していた。が、「ケースの充電が切れる→勝手にペアリングされる」のコンボが不便すぎるのでどうにかしてほしい。手放すことを検討するレベル。
この機能が修正されないなら後悔する。修正されたら、なんだかんだ音は好きなので使い続けると思う。
YouTube動画版はコチラ
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